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CAPCOON7

青祓のネタ庫

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男子高校生の暴走


燐は突き飛ばされて、ベットの上に倒れこんだ。
勢い余って頭を壁にぶつける。痛い。
起き上がって、突き飛ばした張本人を睨みつける。
ニヤニヤした表情がとてもムカついた。
しかし、燐が口を開くより前にそいつはベットの上に乗り上げてくる。
起き上がった燐の肩を押して、燐はまたもや布団に押し付けられた。
耳元で、そいつは言った。



「奥村君、俺とええことしよ?」






旧男子寮には奥村兄弟しか住んでいない。
他に人がいないせいで、いつもはとても静かだ。
聞こえる声といえば、奥村兄弟の喧嘩する声くらいだろうか。
しかし今、兄弟の部屋から普段は聞こえないトーンの声が聞こえてくる。
辺りが静かなせいか、部屋の扉から漏れるように微かに聞こえる声。
知っているものが聞けば、すぐに中で何をしているかなど察することが出来る。
そんな声が聞こえた。
しかも、いつもの兄弟の声ではなかった。
兄の燐と、第三者の声だ。弟はいない。


いやだッ
ええやん、先生おらんのやろ?こんなの遊びと一緒やで奥村君
志摩・・・

ドンッと人が突き飛ばされる音。ベットの軋む音が聞こえる。
二人分の体重が乗ったベットが更に悲鳴をあげた。

志摩・・・なにす・・・
奥村君、俺とええことしよ?
やめ、離せ!
大人しくしといたら痛くはせぇへんよ。

燐の声が篭もる。黙らされたのだろう。
お互いの唇が絡んだせいで、静かな部屋に卑猥な水音が響く。
ようやく離れたのか、苦しそうに息を吸い込む音。


はぁ、はぁ・・・志摩、お前俺になにする気だよ
なに?ここまでされて気づいてない訳ないよな奥村君
だって俺達・・・
俺、奥村君とこういうことするために来たんや
俺はお前のこと友達だと思ってたんだ
友達でもええことはできるで、嫌なら逃げや


床を踏む音がする。燐が伸し掛かる志摩から逃げようとしたのだろう。
部屋の端まで走って、扉を開けようとする。
ガチャンと鍵が閉まっていて開かない。
自分はかけた覚えが無い、志摩か。
この部屋に入った時から相手はこういうことを考えていたのだろう。
鍵を開けて逃げる前に、志摩が何かを呟いた。
途端に、人が倒れこむ音。軋む床板。


い・・・てぇ
これ、君を戒めるための呪文なんやろ?
おまえ、そこまでするのかよ・・・
ゴメンな奥村君。逃がす気なんか最初からないわ。
志摩、お前
ほら、こっちおいで。流石にはじめてが床の上とか嫌やろ。

人を引きずった音の後、ベットが軋んだ。
ブチ、という布が裂ける嫌な音が聞こえる。
体に力が入らない燐は、なんとか逃げようともがく。
でも、志摩はそれを許さない。
前が開けた制服から、手が侵入して燐の体の線をなぞる。
もう片方の手は、燐の足を捕らえた。
足の間に志摩が入り込む。こうなってはもう逃げることは不可能だ。
ファスナーを降ろす音、これから始まる行為を示唆するようで耳につく。
志摩の手が、燐の下腹部を暴いていく。
最初は聞こえなかった燐の声が、志摩の手が動くたびに押さえられなくなって。
卑猥な水音とともに、漏れ出る性を孕んだ吐息。


う・・・ぁ
我慢するのはよくないで?奥村君。
やめろ、志摩・・・
ドアが気になる?ああ、奥村先生帰ってきたら言い訳しようもないなぁ
わかってるならやめろッ
奥村君確認したやろ?ちゃんと鍵閉めたで
嫌だ、こんなこと
なんで、気持ちいいくせに。悪い子やな、奥村君・・・



「悪い子にはどんな御仕置きが必要かな?」
ガチャっという音がして、扉が外から開く。
青筋を浮かべた雪男が立っていた。
鍵は内側からかけてあった。でも、ここは雪男と燐の部屋だ。
雪男が扉を開けるための鍵を持っていないはずはない。

「そして抵抗を封じるように尻尾を掴み、従属させるように頭を布団に押し付けた」
「そこはダメだ・・・!」
「ふふふ、ここが君の弱点なんやろ?どうや?気分は」
「雪男が見てるー」
「見られて燃える恋もあるんやでぇぇ」

部屋に入った雪男が見た光景。
二人はちゃぶ台の上でプリントを解いていた。
別にベットの上にいたわけでもないし、床で絡み合っていたわけでもない。
普通に座布団に座って、雪男から出された課題に取り組んでいただけだ。

お互いに卑猥な行為を口頭で行なっていたけれど。

職員室に参考書を取りに行っていた数分の間になに遊んでんだ。
雪男はキレそうだった。部屋からいやらしい声が聞こえるし、なんかガタガタと音もする。
自分の部屋のはずなのに入っていいのか悩んでしまった。
「そもそも!コレは補修でしょう!真面目に受けなさい!!」
「真面目に受けてますよ。ただ言葉遊びしとっただけですよー」
志摩はプリントを雪男に見せた。半分以上の問題は解かれているようだ。
あっているかは別にして、きちんと課題に向き合っていたのは本当らしい。


「いや、問題はそこじゃなくてそもそもなんでどうしてこうなった!」


「保健体育の授業ならヤル気出るよなっていう話になって、それからエロい話になってこうなった」
燐が平然と応える。視線はプリントに向かったままなので、なるほど。集中はしているらしい。
集中の仕方にはおおいに問題があるが。


「奥村君が真剣にプリント解きながら『やめろ、志摩・・・』とかいうから笑いそうになったわ」
「それ言ったらお前も笑えたな。特に『はじめてが床の上~』の辺り。官能小説かよ」
「ええな、詠唱騎士の副業が官能小説家とか。将来は二束の草鞋をはかんとなぁ」


しかも手が込んでいたのは、本当にベットの軋む音等を出していたことだ。
プリントを解きながら、片方の手でベットを軋ませたり、床を叩いたり。
効果音まで演出しながらやっていたので性質が悪い。
ちょっとこいつらの口黙らせたほうがいいだろうか。
人をおちょくりやがって。
雪男は手がホルスターに伸びそうになるのを必死に止めた。



「なんだよ、カリカリすんなって。次は雪男も混ざるか?」
「だれが混ざるか!!!」
「奥村君、次はソフトSMっぽくする?それともさっきの続きっぽくする?」
「えー、ソフトSMとか俺声出るかなぁ」

「出さなくていい!!!!!」


切れた雪男がついに発砲した。
だがしかし。後日そのプリントを採点した結果、二人とも最高得点を記録して補修には合格。
雪男をおおいに悩ませることになったのであった。

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