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CAPCOON7

青祓のネタ庫

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連れてなんかいかせない

小さな頃から人には見えないものが見えた。
それは、人に危害を加えるものから、そうでないものまで様々だ。
それらの正体が悪魔だと言うことを教えてくれたのは父だった。
父は言った。兄は10年後恐ろしいものを見ると。
自分が見ているもの以上に恐ろしい目にあう。
それを止めたくて、僕は祓魔師という道を選んだ。

(またいる…)

それがいると気づいたのは3日前だ。深夜にトイレに起きると、窓の外に気配を感じた。
それは修道院の中には入って来れない。ただ、窓の外からじっとこちらを見て、朝になると消えている。

(これの祓い方、まだ習ってないんだよね)

雪男は訓練を始めて間もないため、実践練習はまだ先だ。
父に相談すればどうにかなるかもしれないが、あいにく任務で留守にしている。
だから、こういう状態になるとじっと耐えるしかない。
悪魔は見えない相手に干渉しない奴もいる。こいつも、見えないフリをしていれば
きっといつかいなくなってくれる。それを3日前から期待していたのだが、相手もなかなかそこは譲らない。
修道院は、神の加護を受けているため、大抵の悪魔は侵入できないはずだ。
それを知ってはいるが、もしかしたらという不安は消えない。
悪魔からの視線を受けて寝れるほど、雪男の神経は図太くなかった。

「でも、いい加減寝たいなぁ…」

布団の中から窓を見ると、今日も変わらずそこにいた。
黒いもやだ。目や鼻といったものはないので、コールタールの集合体なのかもしれない。
窓と反対方向に目をやれば、そこには寝こける兄の姿があった。

10年後、兄さんは恐ろしいものを見る

雪男が眠れない理由はそこにあった。父が任務でいない今、同室である自分が守らなければいけない。
自分ひとりが危害を加えられるならまだしも、兄が怪我するのは耐えられなかった。
(早く神父さん帰ってこないかな)
雪男はまたひとつ寝返りをうった。この悪魔のせいでとんだ寝不足だ。
すると、静かな寝室に足音が聞こえた。

(まさか、あいつが入ってきたのか?)

ぞくっとした悪寒が背筋を走る。もうしそうなったら、兄だけは守らなければ。
雪男は背後を振り返った。
「ゆきお」
「にいさん」
兄がいた。向かいのベットからこちらまで来たらしい。
トイレにでも起きたのだろうか。
「お前、またねれてないんだろ?」
「…うん」
「怖いものでもみたのか?」
そこに、窓の外にいるよ。とはいえなかった。
兄は気遣ってくれたらしい。それが嬉しかった。
「俺がいっしょにねてやるよ」
「ちょ、にいさん!」
窓側の方に兄が入ってきた。あいつがみている。
なにかあったらどうしよう。
兄が、窓を見る。

「失せろ」

そいつは今までの3日間が嘘のように消えていった。
「な、な…何かしたの?にいさん」
「いや、なんかいたのか?」
兄は悪魔に気づいていなかった。

「お前が窓のほうみてたから、怖いもんがいるんなら追っ払ってやろうとおもったんだよ」

兄は優しい。でも、僕は不安が消えなかった。
兄の力は年々強くなると父は言っていた。
その力で追い払ったのか。
それとも、兄のことがバレたのか。
鼓動が不安で早くなる。
あいつが、消える瞬間に笑ったような気がしたからだ。
兄を連れて行くつもりだったのか?
わからない。だが。
雪男は、燐の身体にぎゅうっと抱きついた。

「どうした?」
「こわいんだ、このままでいて、にいさん」
「おう、わかった」

連れて行かせるもんか。

雪男は早く、祓魔師に成りたかった。
こうしていないと、捕まえていないと、兄がどこかへ行ってしまいそうな気がして。

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弟についていけません

「セックスと暴力って似ていますねあにうえ」
メフィストは弟の言葉を聞いて硬直した。この弟から発せられるには
あまりに生々しい言葉だった。おにいちゃんはショックだ。
「まぁ、確かに肉欲を求めている点は似ているな」
「でしょう、ということは僕は先日奥村燐を強姦したようなものなのでしょうか」
「ご…」
メフィストはうな垂れた。最近、弟のいうことについていけない。
年だろうか。

「先ほどのことを踏まえれば、そうともいえるかもしれないな。
しかし、いきなりどうしたんだ?」
「奥村燐をボコボコにしたくてしょうがないのです。でもあにうえに言われたので
我慢しています。そのせいか、ボコボコにしたい衝動が抑えられません。
先日ニュースで、性犯罪者は我慢がきかないやつだという報道をみました。
僕は性犯罪者なのでしょうか」
「いや、お前はどちらかというと暴力主義者なだけだろう」
「はい、僕は暴力大好きです」
「お前は奥村燐とセックスしたのか?」

「いいえ、まだしていません」

まだ、という単語には非常に引っかかるが、突っ込んだらややこしくなりそうなので無視する。
「なら、お前は抑えきれない暴力性を奥村燐にぶつけたいだけだろう。暴力主義者であって性犯罪者というわけではない」
「なるほど、あにうえは頭がよいですね」
アマイモンは納得したようだ
「暴力とセックスは似ているようで違う。では、暴力を振るった後、強姦することにします。
あれ?目的は暴力なのか強姦なのかわからなくなりました。それでも僕は暴力主義者なんですかね?」
「だからなんでそうなる!!」
やっぱりこの弟にはついていけそうもなかった。

燐麦畑でつかまえて

「私は耳と目を閉じ口を噤んだ存在になろうと考えた」

いや、なんてこたーないんですが、SQのネタバレは
発売日までやらないでおくかということです。
「いや、ならざるべきか?」とは続きませんので安心して下さい。

地方なのに、あそこの卸しはすげぇと思う。

拍手返信であります

空パチの方もありがとうございます^^
拍手欄見て若干ビビリました。

1月28、29日
2月1日の拍手&コメント

だみ様

コメントありがとうございます^^
28日のコメントもだみ様のですよね?
続けてコメント貰えて狂喜乱舞しました。少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
狂林檎の報告書読んだメフィストはニヤニヤしながら燐を弄るでしょうね。兄弟の姿を見つけて
「おや、白雪姫と王子様がいますよ」とか言ってからかったりw

ボ●ロコスの燐の下着はメフィストが用意したブランドものを履きました。あのズボンは普通のトランクスで履くとズボンからはみ出すレベルの丈ですから。
無駄な設定ですがポー●ス●スのボクサーパンツです(細かい)
いつもはスーパーの525円のしか履いてないはずだ!

脱いだ下着で限定一冊下着抱き合わせ販売を目論見ましたが、
兄の心の傷を抉らないためにも雪男が取り返すことでしょう。
兄さんのこころは僕が守る!どう考えても王子様です。

これからも無理せずやっていきますね。
優しいコメントありがとうございました!!



3Dカスタム少年

人間、腹がすこうとも守らなければならない一線というものがある。
腹が減ったからと言って万引きしたり、人のものを取るのはいけないことだ。
腹が減ったからと言って、決して相手に遜ってはいけない。
武士は喰わねど高楊枝。と、いう人もいる。
しかし、腹が減っては戦はできないのである。

教室内は静まり返っていた。
教室には、勝呂達と燐しかいない。女性陣がまだ来ていないことが救いかもしれない。
異常事態だ。しかし、当の本人は顔面を硬直させて至って普通ですという顔をしている。
一番最初に声をかけたヤツは勇者だ。誰か突っ込んでくれ。
教室の空気を読んだのか、勝呂が勇気ある一歩を踏み出した。
「奥村ァ!!!」
「なんだ」
「そのふざけた格好はどうした!?今はハロウィンちゃうねんぞ!」
燐の姿は、いつもの学生服ではない。
頭には大きな白いリボン、股下すぐで切れたハーフパンツ。上は黄色と黒の線が入ったセーラー服。
頭にはヘッドフォン。
(ヴォー●ロイド、しかもあれって双子の…)
インターネットが趣味の子猫丸は教室内で唯一、燐の異様なコスプレの元ネタを知っていた。
知る人ぞ知る。というかチョイスがマニアック。ある意味女装ともいえる。
「俺は至って普通です。制服じゃないだけです」
「学校来るんなら制服着ろや!」
「制服の代わりに着てるんです」
「奥村先生の方はこのことしっとるんか!?卒倒するぞ!!」
「お、俺だって、好きでこんな格好してるわけじゃねぇ!!!!」
燐が椅子から立ち上がると、ぐうーと言う腹の音が教室に響いた。
それにつられるように、燐はその場にへたり込んでしまう。
「どうしたんですか鏡●り…おっと、奥村君!」
「子猫さんあれなんのコスプレかしっとるんですか?」
「奥村、大丈夫か?」
勝呂達が駆け寄ると、燐は腹を抑えていた。
「腹、減った…でも、これで飯が食えるんなら俺は耐える」
「奥村、なにがあったんや」
勝呂達もただ事ではないと察したらしい。
志摩は自分の昼飯用に持ってきたコンビニおにぎりを燐に渡す。
「コレ食べ、そんなんじゃ話もできへんやろ?」
「うう、すまん、助かる…」
燐はおにぎりを受け取るとものすごい勢いで齧りついた。
頬袋の食料を溜めるハムスターのようだ。
おにぎりを食べて落ち着いた燐は、自分がこうなった経緯を話し始めた。

 

「ではコレ着て塾に行ってください」
メフィストは燐の目の前にヴォー●ロイド、鏡●リンの衣装を投げた。
ハーフパンツは股下すぐで切れていて、太腿丸見えだ。
しかも、このセーラー服、どう考えても腹がチラリとしてしまう。
なんだこの服。
「着れるか馬鹿!!!」
「おや、ハーフパンツの丈が気に入りませんでした?
確かにコレ男の子が着た場合、普通のトランクスじゃ見えちゃいますしねぇ」
「ちょ、ちょっと待てよ!これ女用なのか?」
「そうとも言う」
「アホかお前!!!」
燐は顔を真っ青にして訴えた。こんな格好をして塾に行けと?しかも女装?
しえみに見られたら、教室の窓から飛び降りるくらいの自信はある。
「じゃ、今月のお小遣いはなしということで☆」
「嘘だろ!証券乱用だぞそれ」
「それをいうなら職権乱用ですね」
「俺のこと玩具かなにかと思ってんだろ!」
「よくわかってるじゃないですか」
と、やり取りしたのが一昨日のこと。毎月ギリギリの生活を送っているため当然貯蓄などない。
メフィストと口論した夜から、ご飯が食べられなくなった。
雪男に頼ろうと思ったのに、丁度その夜から任務でいないというメモが机に残された。
メフィストの策略はぬかりない。
燐は頼る相手もなく、水を飲んで飢えをしのいだ。
だが、15歳の食べ盛りがそんな状況に耐えられるはずはない。
空腹は思考能力を奪っていく。糖が脳に廻らなければ判断能力も低下する。

空腹のまま朝を迎えた燐の頭にはコスプレをするか、飢えるかの選択肢しかなかった。

「コスプレしたら、お小遣い一万円にしてあげますよ☆」

このひと言で、燐は身を売ることに決めた。


「笑うがいいさ、俺は一杯の飯欲しさに悪魔に自分の身体を売ったんだ…」
目じりに涙を浮かべる燐、勝呂達は何もいえなかった。
心底燐に同情していたからだ。

(理事長、変人やと思っとったけど、外道でもあったんやな)

「奥村、まずは奥村先生に電話せぇ。話はそれからや」
「ご飯、今日くらいおごったるよ奥村君」
「奥村君、服着替えて食堂いきましょ」
クラスメイトの優しさが身にしみた。
燐は勝呂に手を引いてもらい、立った。持つべきものは人間が出来たクラスメイトだ。

「ありがとう、お前ら!」

その時、教室のドアが開いた。
しえみと、神木が教室の入り口にいる、燐を凝視していた。
神木は、燐の姿を見て言った。

「キモッ」

燐はその日、泣きながら教室の窓から飛び降りた。
女性陣の引いた視線が忘れられない。燐はメフィストに一生消えないトラウマを植えつけられた。


因みにメフィストはことの次第を知った雪男に粛清されたという。

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