青祓のネタ庫
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*WEB用に改行しておりますが、本文はつめております*
「幽霊・・・ですか?」
「そうです、出るみたいですよ。祓魔塾の教室に!」
授業が終わって、雪男が教室を出ようとしたところで、京都の三人組の一人、
志摩が噂話を口にした。
曰く、この教室に幽霊が出るらしい。それは自分たちと同じ年頃の男の子で、
体はぼんやりと透けており、一目で幽霊だとわかるそうだ。
それにしても、悪魔退治が専門の祓魔塾の教室に幽霊が出るなんて、
随分と肝が据わった幽霊がいたものだ。
雪男はその話に興味が沸いて志摩に話しかけた。
「教員の人も何人か見たそうですよ、でも退治まではできてないみたいです」
「珍しいですね、まぁ害がない悪魔は放っておいてもかまわないでしょうけど・・・」
「魔神がいなくなってからは、悪魔の出現率も低下していますもんねぇ」
「あの時は大変でしたね」
雪男たちは現在高校三年生である。受験を控えた者もいれば、
志摩達のように祓魔師になる就職組もわずかながらいる。
当然、この塾にいるメンバーは就職組に当たるわけだが、
雪男や勝呂のような優秀な者は大学を受験する方向も考えている。
現在塾にいるメンバーは、全員祓魔師免許を取ってはいるがまだ下二級と階級は低い。
昇級試験を控えていることから、就職組も勉強をしなければならない。
このまま卒業しても、騎士團へは就職できるが在学中に一つでも
上の階級を受けるのが通例となっていた。
つまり、下二級のまま卒業すると落ちこぼれの領域にあたるのだ。
階級を上げながら、大学を受験などそれこそトップクラスの成績保持者でなければ無理な話。
それを知ってなお勝呂は大学まで受験しようというのだから、志摩からは変態呼ばわりされている。
「でも、塾在籍中の下二級で魔神と戦った祓魔師なんか俺ら以外にはおらんやろなぁ」
一年前に起こった魔神との戦争は、それこそ死闘と呼ぶにふさわしいものだった。
騎士團は万年人出不足の為塾に在籍中の位の低い祓魔師すらも、
前線で戦わざる負えなかった。
倒れていく祓魔師が多かった中、今期の塾生は騎士團の思いもよらない働きをみせた。
天才と名高かった雪男はその名に恥じない戦いぶりをみせ、
上級悪魔のカルラを操る勝呂、治癒担当のしえみ、手騎士の才能溢れる出雲、
詠唱騎士でありながら錫杖を操る志摩に子猫丸の上げる詠唱は
並みいる悪魔を蹴散らした。
誰一人として欠けることなくいれるのは、まさに奇跡に近いだろう。
そんな修羅場を知っているメンバーからしたら、昇級試験など程度が知れている。
むしろ、なぜあの戦いが終わった後に昇級がなかったのかが不思議なくらいだ。
「でも油断は禁物ですよ皆さん、あの戦いの後悪魔の個体が減少したとはいえ、
いなくなったわけではありません。だから僕らの仕事がまだあるんですから、
気を抜かないように」
「へーい」
「志摩さん、それが気抜いてる言うんですよ」
「落ちて、柔造辺りに怒られればええねん。
金造以来の頭の出来やて塾の歴史に名を残せばええ」
「ちょ、金兄より悪いとか最悪や!」
志摩は急いで教科書を取り出して、チェックをし始める。
兄の金造は在学中に実技は合格なのに筆記のみで試験を落ちたとして、塾の歴史に名を残している。
そんな不名誉な歴史に志摩家の名を二人続けて残したとなると、
二度と京都の地を踏めなくなってしまう。雪男は少し笑って、教室を見回した。
勝呂、志摩、子猫丸、出雲、しえみ、宝。みんなよく生きていてくれたものだ。
雪男は誰一人欠けることなくこの教室にいることに安堵を覚えた。
教室を出ようとすると、ふいに教室の隅に誰かの人影を見た気がした。
しかし、害はないように思える。だたそこにそっといるだけの幽霊。退治するべきだろうか。
廊下に出てから雪男は考えるが、塾生達も気づいていないようだった。
「放課後にでも・・・寄って確かめてみようか」
幽霊一匹にやられるほど、塾のメンバーは甘くはない。
雪男は出席簿を取り出して、再度全員がいることを確認する。
勝呂、志摩、子猫丸、出雲、しえみ、そして宝。
全員いるので、誰かが退治してしまったらそれはそれでいいだろう。
もしかしたら、勝呂の経の暗唱で成仏することだってありえるのだ。
そう考えて教員室へと戻っていった。
メンバーが一人欠けていることには、誰も気づかなかった。
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