青祓のネタ庫
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
≪ くろとせいすい | | HOME | | サーチ登録しました ≫ |
(りん、りん、おなかへったよう)
クロが足元に擦り寄って訴えてきたので燐はクロを抱え上げた。
「何食いたいんだ?」
(またたびしゅとおつまみ)
「つまみ?」
自分の机で調合用の薬草とにらめっこしていた雪男がどうしたの、と話しかけてくる。
雪男にはクロの声は聞こえないので、燐とクロのやり取りの詳細はわからなかったらしい。
「なんかクロの奴腹減ったみたいなんだけど、こいつって何食うんだ?」
「クロはなんて言ってるの?」
「マタタビ酒とつまみを喰いたいって」
つまみ・・・と雪男は眼鏡を上げた。考え事をするときの癖のようなものだ。
「・・・神父さんが生きてた頃、神父さんとクロが健康診断受けたことあったんだ。
聖十字騎士団に正式に祓魔師として登録されると毎年決まった時期にあるんだよね。
特に神父さんは祓魔師としての最高位の聖騎士だし、その使い魔であるクロも学園を守る重要な任務についている。
健康には格別な配慮が必要なんだ」
「で、結果はどうだったんだよ?」
燐は診断結果について大腿予想がついたが、一応聞いた。
「お酒の飲みすぎで二人ともひっかかってた」
キラリと光る雪男の眼鏡にクロはびくっとしっぽを縮めた。
「じゃあ酒をやんなきゃいいじゃん。つまみならいいんじゃね?」
「甘いね兄さん、酒飲みの宿命である塩分過多もあったのさ」
可哀想に、クロはすっかりと燐の腕でうな垂れていた。
またたびしゅ、おつまみ・・・と目を潤ませて訴えてくる。
(おれもうもんばんしてないもん。おさけものみたいもん)
雪男の厳しい物言いに同情して燐もクロの味方についた。
「なぁ、コイツもう門番とかの重要な任務もしてないんだし、
酒は週に一回とか決まりを作ってやれば大丈夫なんじゃねぇの?」
「神父さんと同じこと言うね兄さん」
藤本神父は毎回週に一回、とか言ってクロのところに行くたび飲んでいた。
結局約束の週に一回が守られたことはない。
クロがアル中になったらどうするんだ、とその頃から雪男は思っていた。
案の定酒に溺れる猫になってしまったではないか。
「だって可哀想じゃん」
「・・・まぁ週に一回くらいならいいか」
クロは飛び上がって雪男の頬に頬ずりした。
(おさけのんでもいいんだな!)
「うわ、ちょ、何言ってるの兄さん?」
くすぐったそうにする雪男に、喜んでるみたいだぜと燐が笑いながら言った。
雪男はクロを抱っこして
「でも、週に一回だけだからね」
と釘を刺すのも忘れない。
「ん?じゃあいつもは何食わせりゃいいわけ?」
「ああ、それは大丈夫」
雪男は机の引き出しから袋を取り出し燐にパッケージを見せた。
「神父さんが祓魔店と共同で作った特性猫叉フードデラックス、塩分も押さえ、
一日に必要なビタミンを豊富に盛り込んだ健康猫食品だよ。これをあげよう」
「・・・いいもんあるじゃねーか」
若干引いた様子で燐が呟いた。どうやら双子同様、クロも相当藤本に可愛がられていたらしい。
「ちなみにお値段5500円」
「高ぇよ!!!!!」
≪ くろとせいすい | | HOME | | サーチ登録しました ≫ |