青祓のネタ庫
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「いって・・・」
ガシャンと落ちた瓶が粉々に砕けた。
燐の手にはやけどの様な痕が残っている。
雪男の机にあった瓶を過って落としてしまったのだが、どうやら自分に効くタイプの薬だったらしい。
飛び散った液体が床に染み込んでいく。燐はしかめっ面で割れた瓶の端を掴んだ。
「やべぇなぁ。雪男に怒られちまう」
(りん、りん。だいじょぶか)
「おう、平気だぞ」
(けがしたのか)
「ほんのちょっとだよ」
ベットで丸くなっていたクロが心配して駆け寄ってきた。
床に染みた液体をくんくんと匂うが、燐があぶないぞ、とクロを遠ざけた。
「お前にも効くかもしんねーだろ」
(おれだいじょうぶだよ)
「なんでわかるんだ?」
(これせいすいだから、おれ、こういうのはへいきなんだ)
「へぇそうなんだ」
悪魔にも効くのと効かないのがいるのか。そういえばクロは蚕神といって悪魔というより
神に近い存在だったという。奉られているとなるとお神酒やら、しめ縄など聖なるものに触れるわけだから
聖水が効いたらおかしいわけか。
(りん、だいじょうぶか)
燐の手の火傷の痕をクロが舐めた。傷を気遣ってのことなのだろうが、
ここでひとつ注意しておきたいことがある。
猫の舌はざらざらなのだ。
「いっってぇ!!!」
(わあ、ごめん)
痛がる燐の足元でクロは申し訳なさそうに、にゃごにゃご鳴いた。
丁度その時、机の上に聖水を置き忘れたことを思い出した雪男が部屋に駆け込んできた。
床に割れた聖水の瓶、痛がる燐。雪男は自分の迂闊さを嘆く、と同時に
兄の期待を裏切らないドジに腹が立った。
「やっぱりこうなった!」
「うわ、ごめんって雪男!」
手当てされた後、こっぴどく叱られた。
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