忍者ブログ

CAPCOON7

青祓のネタ庫

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【SQネタバレコピ本】昨日のともだち

お前の命は、あいつに生かされた命なんやで。
子供のころから何度も聞いてきた言葉が頭に響く。
志摩はその言葉を聞くと何も言うことができなくなった。
会ったこともない、知らない兄の話を聞いて、自分にどうして欲しいというのだろう。
立派になれ?ちゃんとしろ?そんな言葉聞き飽きた。

言ってやりたかった。俺じゃなくて兄貴が生きとったらよかったんやないの。
俺にはそんな責任とか重すぎる。俺はもっと楽に生きたい。もっと楽しいことをして生きていきたい。
それの何があかんのや。苦しいことから逃げて、何が悪いんや。

ずっとずっと。そう言ってやりたかった。

「だから、俺は楽な方に行こうと思ってん」

志摩は抱えていた出雲を、イルミナティ側の人間に引き渡した。
燐はやめろと叫ぶが、出雲はそのまま連れていかれてしまう。抵抗しようとする燐を、志摩の黒い炎が突き刺した。
身体を刺し貫かれてしまえば、身動きは取れない。自分も炎を宿しているが、この炎は質が違う感じがする。
黒くて、どろどろしてて。まるで。燐は倒れたまま、志摩を睨み付ける。

「流石奥村君、感じる?俺の炎のこと」

志摩を現しているかのような、黒い炎。魂を、心を焼き尽くすような痛みに耐えながら燐は叫ぶ。

「なんでだよ」

なんでお前がスパイなんだ。燐は信じたくなかった。
出雲が連れていかれそうになっている。その光景を目にした時、燐は真っ先に刀を抜いて、
出雲を連れ去ろうとしたイルミナティの男に襲いかかった。しかしその刃を止めたのは、志摩だった。

「志摩!?なんでだッ」

動揺している燐に黒い炎が襲いかかる。燐は青い炎で防御した。
黒い炎は青い炎に遮られては近づくことができないらしかった。炎と炎のぶつかり合い。志摩は言った。

「この炎を燃やされるとな。俺、死んでまうねん」

聞いて、燐の炎の勢いが収まった。刀を持つ手が震える。その隙に、志摩は黒い炎で燐の体を絡め取った。
自身の危機に反応したのか。青い炎は燐の意志に反して黒い炎を焼き尽くそうとする。
止めたのは、燐だった。

「ダメだ!」

志摩を殺してしまう。そう思い、倶梨伽羅を鞘に納める。焔は一瞬にして消えていった。
志摩はにやりと笑って夜魔徳を使って燐を拘束する。
手と足。体を上から押さえつけられ、燐は地面に縫い付けられた。志摩は燐に話しかける。

「ごめんなぁ。出雲ちゃんは頂いてくわ」
「・・・てめぇ、本当に」

燐の言葉に志摩は笑って頷く。

「そうやで、俺はスパイ。敵側の人間や」

奥村君達上手に騙されてくれて助かったわ。そう志摩は告げる。
燐は納得ができなかった。勝呂達とあんなにも仲が良くて。
不浄王の時には一緒に戦った仲間なのに。そうだ、京都の。明蛇宗の人たちともあんなに楽しそうに。
家族がいて。友達がいて。そんな世界を捨てて、暗い世界を選ぶ志摩を燐は理解ができない。

「お前、家族や。勝呂達のことも裏切ってたのかよ」

家族。その言葉に志摩の笑顔が消えた。

「家族?そんなもんクソくらえや」


PR

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]