青祓のネタ庫
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空パチの方もありがとうございます!
・・・思ったんですが、皆さん意外と志摩+燐好きな方
いらっしゃるんですかね?
いえ、拍手数が信じられない数になってた時があったもので。
以下拍手返信!
2010/02/09
だみ様
感想ありがとうございます^^
志摩くんと燐の絡みを書いていいのだろうかと思っていたので感想
頂けて安心しました!雪男は抜かりのない男の子だと思ってます。
アマイモンはまだ本誌で詳しいことがわからないので、とんだ
家庭内暴力を振るうお兄ちゃんになってしまいましたね!
でもこんな悪魔兄弟が好きだー!
拍手ありがとうございました!!
大好き~の方
うおお、拍手ありがとうございます!
拙い作品ですが、楽しんで頂ければ幸せです。
またお暇な時にでもいらしてくださいね!
お待ちしてます!
2010/02/10
シクラマ様
はじめまして、拍手ありがとうございます!!
朝日と共にどうぞ、とはいえない作品もありますが楽しんで頂ければ嬉しいです^^
私の周囲にも青祓を語れる子がいないんですよー。そのぶんここにムラムラをぶつけている状態です笑
青祓がもっともっと広まるといいですよね!
応援コメントありがとうございました!
2010/02/13
アマイモン~の方
タンは「最後にとっておこうと思うので」とあるのでとっておきなのです。
ボコボコにするのは身体が先ですね。悲鳴を聞くために、舌は最後まで残す予定。ちなみに、舌は引きちぎる気満々です、おお恐ろしい。
なんだか私はアマイモンを勘違いしている節がありますね!^^
スミマセン!
拍手ありがとうございました!
燐は抹茶アイスを食べながら、クロのトイレ場の用意をしていた。
一緒に住むことになったので餌場や水のみ場、生き物なのでトイレも必要だろうと兄弟で考えたからだ。
門番の人から譲り受けたクロのお世話セット。その中にはきちんと猫用トイレもあった。
しかし、トイレ用の砂はなかったので祓魔屋で雪男が買ってきた。祓魔屋って本当になんでも揃っている、と兄弟揃って感心したものだ。しえみの母親は商売が上手い。
「室内飼いだから、頻繁にトイレは綺麗にしてあげないとね」
「そうだな」
砂を入れ終わり、アーチ状の蓋を閉める。
猫トイレの完成だ。外側は普通の猫トイレを使用しているが使っている砂が違う。蚕神ということで、桑の葉を混ぜた匂い玉と神主がお清めを施した砂を使ってある。
値段も大変よろしい仕様である。ここらへんもしえみの母親は商売が上手い。いつも思うのだが、クロのほうがいい生活をしているような気がしてならない。
それでも新しく出来た可愛い家族だ。できるだけのことはしてあげたい。
意外と面倒見の良い兄弟二人は、それをクロに対して遺憾なく発揮している。準備ができたので、クロを呼ぶ。
クロが嬉しそうに寄ってきた。
新しくできたトイレに早速入っていく。
「においつけしてるのかな」
「そうじゃね」
じっくりと見るのもアレなので、お互いに視線を逸らした。
チラ見した時、クロは気持ちよさそうな顔をしていたので気に入ってくれたらしい。
「どうだ、使えそうか?」
(うん、りんもゆきおもありがとう)
「なんていってるの?」
「ありがとうって言ってるよ。よかったな」
燐は口に銜えていたアイスを雪男に渡した。
雪男はそれを受け取って一口齧る。
「あ、喰うなよ」
「いいじゃない一口くらい」
「クロのトイレ掃除するから渡しただけだ」
蓋を外して、備え付けの小さなスコップで砂を掘る。
兄さんって本当面倒見いいなぁ、と雪男はトイレを綺麗に掃除する兄の姿を見て思った。
そこで、燐の動きが止まった。
「なぁ雪男」
「なに」
「クロの、アレの色が」
「色?」
「まぁ、トイレでするアレの色が緑色なんですけど。これ病気?」
「え、ちょっと見せて」
兄弟でクロの致した後のトイレを覗き見る。
確かにそこに鎮座するのは緑色のブツだった。
まるで雪男の手にあるアイスがそこに落ちたかのような姿。
「飯で緑色のものはやってないよな?」
「フードだけだけど・・・って、ああ・・・」
雪男は何かに気づいたらしく。眼鏡を押し上げた。
アイスを居心地悪そうに持っている。
「なんかわかったのか」
「つまり、このアイスだよ」
「抹茶アイスがどうかしたのか?」
「クロって蚕神でしょう。蚕の主食は桑の木の葉っぱだよ。つまり葉っぱの色素が出てるの。
フードにもそういう桑の葉が混ざってたようだし、病気じゃないね」
「それがアイスとどうつながるんだよ」
「言いにくいんだけど、
抹茶アイスに使われている緑色の色素の原料は蚕の糞だよ」
二人はなにがあったのかよく理解していないクロのほうを見て、トイレのほうを見た。
ものすごく微妙な気分だった。
「俺ら、間接的にクロの・・・」
「いわないで兄さん」
雪男はそういって、持っていたアイスを燐の口に突っ込んだ。
食欲が失せた、夏の日の出来事。
「奥村先生ちょっとええですか?」
塾が終わった後の廊下で、志摩が駆け足で近寄ってきた。
今日はちょっと難しい内容の授業だったから、質問だろうか。
思い、雪男は抱えていた授業用の荷物を床に置く。
「どうかしましたか、志摩君」
「ええ、奥村君のことで聞きたいことが」
「失礼します」
「ちょ、待ってくださいよ先生!!」
足早に去ろうとする雪男の肩を掴んで強引に止める。
雪男は後悔した。あんまり良い内容じゃなさそうだったからだ。
「兄さんがまたなにかしましたか」
「んーまぁおもろいことはしてましたけどね」
曰く。植物系の悪魔との戦闘の実技で逆さづりにされていた。
食われそうになっていたから皆で助けようとしたのだが、
燐を捕まえたまま悪魔が逃走したらしい。
これには監督の先生も焦った。しかし、近くの森に入ってしまった魔物は
なかなか見つからない。木を隠すなら森、とはいうが捜索は難航した。
みんなが最悪の状況を思い浮かべる中、燐はひょっこり帰ってきたという。
手には黒焦げになった悪魔の一部を抱えて。
「奥村君は、落ちてたライター拾って燃やしたっていうてましたわ」
(・・・迂闊すぎるよ、兄さん)
話を聞いて、自然と雪男の眉間に皺が寄る。
誰も焔を出したところを見ていなかったのが不幸中の幸いだ。
「無事だったのはよかったんですけど、なんや不思議やな思て」
「兄さんは時々突拍子のないことするもんで」
雪男はなんとか誤魔化そうと言葉を濁した。すると志摩から思いもよらない言葉が出た。
「いや、不思議なんは奥村君のことじゃなく先生のことなんです」
何故自分のことなのか。雪男は面食らった。
「だってそうでしょう、先生と奥村君の関係見てると逆やと思うんです」
「逆?」
「そう、奥村君って何も知りませんよね。退魔の事、塾のこと、悪魔のこと。
あれだけ悪魔に対処できる力あるのに。それっておかしくないですか。
それに対して、先生は史上最年少の天才祓魔師。
奥村君、先生のこと一緒に住んどってなんも知らんかったっていうてましたよ」
兄のほうは悪魔に対処できる力を持ちながら、なにも知らされずに育った。
普通あれだけの力があれば、早くに目を付けられ祓魔師として育てられていてもおかしくない。
それなのに、祓魔師になったのは弟の方が先。
では、弟のほうは兄よりもすごかったのか。
聞けば、「雪男は昔病弱だった」と燐は言う。
何故力を持った兄より、病弱な弟を選んで祓魔師にしたのか。
順番が逆な気がしてならないと志摩は言う。
「祓魔師になるのなんて1年やそこらじゃできませんよね。
何年にも渡って訓練するもんでしょう。訓練するなら早い方がいい。
奥村君祓魔師になれる環境におったのに、なんでなんもかんも秘密にされとったんかがわからんかったんです」
厄介だ。雪男は思った。
まさかここで兄の正体を言えるはずもない。
志摩は、嫌なところに勘付くタイプか。それに賢い。
勝呂に隠れて普段は見えないが、この上なく厄介な性質を持っている。なら、嘘をついても無駄だ。
「兄には」
「?」
「兄には普通の道で生きて欲しかった。僕も育ての神父もそう思っていたからです。それだけですよ」
こういうときは言葉数を少なくして答えるものだ。
多く語ればボロがでる。
だが、それは雪男の本心だった。
兄は料亭で働いて、自分は医者として人助けをする。
人並みの幸せ。神父と自分が心の底から思っていたことだ。
燐が覚醒した今もう叶わない夢だけど。
志摩と視線が交わった。
志摩はため息をついて、踵を返した。
「なんとなく、わかりましたわ」
「それはよかった」
「先生って、大切なものを大切にし過ぎて壊すタイプなんですね」
志摩は、本心を言わず、雪男の本心を聞き出した。
今日はそれだけで十分だ。
隠していることはまだありそうだ。
そのことを何も知らないから、大きなことは言えない。
それでも、この兄弟の関係はどこか歪に見えた。
クラスメイトがクラスメイトのことを心配するくらい、いいだろう。
志摩は開き直って、歩き出す。
「奥村君には内緒にしときますよ、先生」
去っていく志摩の背中は何故か笑っているように思えた。
雪男はその背中が見えなくなったことを確認して、足元の教材を蹴り飛ばした。
書類が宙を舞う。
片付けるのが大変だ。
そうでもしないとやってられない。
(なにも、知らないくせに)
だが、何も知らない志摩の言うことが図星だったことに一番腹が立った。
毎朝のことだ。
隣の布団で寝る兄の姿を見て雪男はため息をついた。
雪男はすでに祓魔師の制服に着替えており準備は済んでいる。
「まったく…」
雪男はため息をついた。兄は本当に世話が焼ける。
燐はまだ布団に包まっており、尻尾だけが外に出て寝息にあわせて揺れている。
燐は寝起きが悪い。寝ぎたないと言ってもいい。
睡眠時間は個人差があるとはいえ雪男が4時間なのに対し、燐が倍以上の11時間というのも不思議だ。
同じ双子なのになあ、と雪男は自分の兄をしみじみと眺めた。起きる気配はない。仕方ない。
同じく側に立って燐を眺めていたクロをそっと持ち上げ、団子になっている燐の腹の上辺りにそっと置いた。
「クロ」
雪男の声に従い、ぼふんと部屋に煙りが起こる。腹に乗ったクロがベットからはみ出すほどに巨大化した。
「ぐえっ」
兄の潰れた声が聞こえた。
クロは身を縮めてベットを壊さないよう気を使っているようだが、
ベットの両足はすでにギシギシ悲鳴を上げている。
ベットが壊れるのが先か、兄が出るのが先か…
思っていると、布団団子から中身がでてきた。
無理によじって出たせいか、ズボンがずり下がってトランクス姿だ。
うわーと雪男は若干引いた声を上げる。
「…兄さん、ズボン布団に忘れてるよ…」
「てめぇがやったんだろ!」
トランクス姿で凄まれても迫力はなかった。