青祓のネタ庫
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【CLOVER】
目の前にいるこどもは言った。悪魔がいるんです。怖い悪魔が。どうすればいいですか。
俺は、こどもに向けていった。
「大丈夫、なにも怖がることはない。君の家族がきっと君を守ってくれるよ。
そうだ、それでも不安だっていうのなら、なにかお守りをあげようか」
俺が、懐を漁っていると、こどもは言った。
よつばのクローバー、ありますか。
こどもは四つ葉のクローバーが魔除けのお守りになるとは知らないはずだ。
きっとこどもが目にしやすい、比較的ポピュラーな幸運の花が思い浮かんだのだろう。
「それならちょうどいい。ここに四つ葉のクローバーのお守りがあるんだ。
このクローバーがきっと君を守ってくれる。
何か起きたら、また来るといい。そのときは俺たち祓魔師がなんとかしてやる」
こどもは、四つ葉のクローバーのお守りをぎゅっと握りしめた。そして、恐々とした顔でつぶやいた。
また、ここに来ていいですか。
「おう!いいぞ。待ってるからな!」
頭をがしがしと撫でてやった。
俺たち祓魔師は、悪魔払いから、闇に怯えるこどもの世話まで。
分け隔てなく救いの手を差し伸べる。そんな職業だ。
俺は、そんな職業について早ウン十年。
今では、聖騎士なんていう役職についている。
***
「うわ、つめた!」
雪男は頭に突然降り懸かってきた水に顔をしかめた。
頭上を見上げれば、そこには瓶詰めで置いておいた聖水が。
床に座ったまま荷造りの作業をしていたので、倒れたことに気がつかなかったのか。
雪男は濡れた髪をかき分けて顔にかかっていた液体を拭った。
冷たい液体をかぶったせいだろうか、妙に頭がすっきりしている感覚がある。
眼鏡にかかっていた水滴を拭って、かけ直す。聖水は、蓋をしていたにも関わらず全部こぼれてしまったようだ。
「あーあ、これ高濃度の聖水だから貴重だったのになぁ」
もったいないことをしてしまった。と肩を落とす。
二年前に祓魔師の試験に合格してから、こういった祓魔道具は経費で落とせるようになった。
しかし、だからといってあまり高価なものを大量に買えるわけでもない。
位としては中一級になったが、一個人、経費で買える金額にもちゃんと上限があるのだ。
聖水は、また祓魔屋で購入するしかないなぁと考えた。確か、まだ経費には若干の残りがあったはず。
それを考えて、雪男は聖水をこぼしたことにまたちょっと落ち込んだ。
覆水、盆に返らず。とはこのことだろうか。
とりあえず、荷造りしていた箱にガムテープを貼って蓋をした。
立ち上がって周囲を見回せば、部屋の中が妙にがらんとしていることに気づく。
「あとちょっとで、この部屋ともお別れなんだなぁ」
雪男は感慨深げにつぶやいた。
ここは、雪男が生まれてから今までを過ごした思い出深い修道院の一室だ。
家族と、修道院の修道士達に囲まれて過ごした、雪男の家だ。
春からは正十字学園の寮に住むことが決まっている。
そこでは、高校生をしながら祓魔師として過ごす二重生活が待っている。
自分で選んだ道だが、高校は成績優秀者が集められた特進科に通うことになる。
大変そうだなぁと雪男はため息をついた。まぁ、別段深刻には考えていないのだが。
雪男はぞうきんを取って、机の上のこぼれた聖水をふき取った。
小瓶はまた別の機会にでも使えるだろうからとっておこう。
雪男は荷造りと、掃除の終わった部屋を後にした。
リビングの方に向かうと、丁度仕事を終えた神父と出くわした。
「おう、雪男荷造り終わったのか?」
「うん、あとは送ってもらうだけで大丈夫だよ。神父さんは仕事終わったの?」
「ああ、仕事とはいっても、悪魔が見えるって怯える女の子の相談役さ。
勘が鋭い子みたいで、実際には見えていないようだったがな。
あの子には頼れる両親もいるようだったし、お守りだけ渡しておいた」
「そっか、魔障にかかってないのなら大丈夫そうだね」
「また悩み事があったら聞いてやれば楽になるだろう」
神父こと藤本獅朗は表ではただの修道院の神父だが、裏では祓魔師の最上級の資格を持つ聖騎士だ。
そんな藤本の携帯が着信を告げる音を奏でた。
「もしもし」
あ、仕事モードだ。と雪男は思った。きっと祓魔師関係の仕事の方だろう。
この顔をしている時の神父は、堅い表情をしている。
それがわかったから、雪男は何も言わずにただ神父の表情を眺めた。
普段の父親らしい神父もいいが、この真剣な表情が、結構好きだった。
数回相手とやりとりをして、藤本は携帯を切った。
「これから仕事?」
「どうも支部の方でA濃度の貯水層がやられたらしい。あれも貴重だからな。俺が出て見ることになった」
「聖騎士様も大変だね」
「ちょっと様子を見てくる。後のことは頼んだぞ」
藤本は、足早に玄関に向かっていった。祓魔師の仕事は、年中無休といっていい。
でも、今回はあまり時間をとられそうもないな、と雪男は思った。
A濃度の聖水は、位の高い聖職者の洗礼で作ることができる。
藤本は、祓魔師としては最高位の聖騎士だ。
濃度の高い聖水は、ちょっとのコールタールが混ざり込んだだけでも反応を示してしまう。
保存する時には気を使うデリケートな代物だ。だからこそ、高位の聖職者が定期的に管理をする必要があった。
今回、たまたま上位の祓魔師が出払っていたので、神父にお鉢が回ってきたということだろう。
きっと貯水層の聖水に洗礼をするだけだから、すぐに終わりそうだ。
雪男は残りの片づけをするために、リビングに置いてあったゴミ袋を手に取った。
いらないものは、朝のうちに纏めてゴミに出しておいた。残りは、着れなくなった服とかかな、と思っていると。
ミサを終えた修道士達がリビングに集まってきた。
「雪男。片づけ済んだのか?」
「だいたいね。あとはゴミ出しくらいかな」
「あんなにちっちゃかった雪男がもう高校生とはなぁ」
「雪男がいなくなっちまうと。ここも、寂しくなるなぁ」
「藤本神父なんか、泣いちゃうんじゃないか?」
修道士達は口々に寂しいなとつぶやく。雪男はそれに苦笑した。
自分がいなくなっても、まだ双子の兄が残っている。
まだ面倒事は山のように残っているだろうに。
でも、かまわれて悪い気はしなかった。
「僕は寮に入ってしまうからここから出るけど、まだ手の掛かる兄さんが残っているし、寂しくはないと思うよ。
そういえば、兄さんの姿を見かけないけど、どこかに出てるのかな」
雪男は窓の外を見た。ゴミ収集車はまだ来ていない。
早く片づけた方がいいかなぁ。と思っていると、修道士達が怪訝な顔をしていった。
「なにを言ってるんだ?雪男」
「え?いや、ゴミ早く片づけたほうがいいかなぁって・・・」
「違う違う。お前に兄ちゃんなんていないだろ?なに言ってるんだ?」
雪男の手が止まった。
冗談にしてはタチが悪い。しかし、見上げた修道院の仲間の顔は、それが「当たり前」という表情だ。
何を言っているんだろう。雪男は狐につままれたような気分になった。
「まだ四月一日には早いでしょう。冗談はやめてよ」
「いや、お前春休みボケでも起きたのか?」
「違う!僕の双子の兄さん。奥村燐のことだよ!忘れたの!?一体どうしちゃったのさ!!」
「だ、だったら。お前の部屋見て見ろよ。お前、ずっと一人部屋じゃんか」
言われて、そんなはずないと叫んで、急いで部屋に戻った。
扉を開けて、確認する。二段ベッドがひとつと、机が二つ。
あとは、雪男が片づけてしまったので、何もない。
二段ベッドも確認したが、そこから兄の布団はなくなっていた。
机の引き出しにもなにも入っていない。
二つの物が揃えられてはいるが、確かにこれは二人部屋とは言い難い。
まるで、ここには最初から誰もいなかったかのような。
がらんとした空間だ。
そんなの嘘だ。兄さんがいなくなるわけない。
雪男は、荷造りを終えた段ボール箱をひっくり返す。
「そんなわけない・・・そんなわけ」
中学校のアルバムを開けた。
兄がいるなら、同じ中学に通っているはず。
名簿の一覧をみたが、そこに名前はない。小学校の時はどうだろう。
探したが、どの段ボール箱に入っているのかがわからない。
写真は、アルバムは。
雪男は、燐の思い出を探した。
段ボール箱を探して、兄が使っていたノートや教科書がないかも見た。何もない。
どうして。
どうして。
混乱する。
兄はいないというみんなの言葉が信じられない。
雪男の記憶では、兄が笑っている表情がすぐに浮かんでくるのに。
ふいに思い出した記憶の中の兄は、幼い姿のままだった。
雪男は、手に握っていたゴミ袋のくしゃっとした感触で我に返った。
「ゴミ・・・まさか・・・」
雪男は青い顔をして、修道院の玄関を飛び出した。
それを見ていた修道士達は、なおも怪訝な顔で全力で走る雪男を見送った。
「どうしちまったんだ?雪男」
「さぁ」
修道士達は雪男が何をしたいのか、さっぱりわからなかった。
(中略)
***
転校生を紹介する。と教師が教卓の上から言った。
周囲の生徒が少しだけざわつく。誰だろう。女の子かな。
クラスメイトは、地区が変わらないせいで小学校からのスライドとしかいえない面子しかいない。
中学でも、子猫丸や、志摩とも相変わらず同じクラスになった。
勝呂は、転校生とは珍しいな、と素直に思う。
京都は、どちらかといえば閉鎖的な都市だ。歴史がある分、隣人とのつながりが深い。
こども同士の繋がりが家同士の繋がりの延長であることが多い。
勝呂、志摩、子猫丸の三人も例に漏れずそのパターンだ。
小学校からの同期は似たり寄ったりだろう。ここは、そういう土地柄だ。
だからこそ、勝呂の周囲では「祟り寺の子」という不名誉な呼び方がまだ根強く残っている。
そういうクラスの中に、転校生。勝呂は純粋にその転校生に興味が沸いた。
「外から来た人間」というのに憧れていたというのも理由のひとつかもしれない。
「坊、坊、女の子やったらどうしよ。俺恋に落ちてまうわ」
「志摩さん、昨日は三組の吉永さんと恋に落ちたんじゃなかったんですか」
「今日初めての恋かもしれん」
「毎日恋に落ちとるんか。忙しないやっちゃな」
相変わらず色ボケしている幼なじみは放っておいて、視線を前に向ける。
ドアは、少しだけ間をおいて開かれる。
黒の学ランが隙間から見えた。それだけで「男かいなー」と志摩がつまらなさそうに言う。
少年は普通の足取りで教卓の上に立った。クラスのざわつきが止んだ。
赤い布で包まれた竹刀袋だろうか。それを肩から下げている姿は一風変わっていた。
剣道部にでも入るのだろうか。
それよりも一同が驚いたのは、少年の目が青かったことだ。
よく見れば、中心の瞳孔だけ鮮やかな赤色をしている。ハーフ?という声がどこかから聞こえた。
ハーフにせよクォーターにせよ、偉く目立つ風貌の奴だ。
少年は、黒板に名前を書いた。
クラスのざわつきなど、対して気にしていないような様子だった。先生は自己紹介を、と少年に促した。
「奥村燐、東京からきました。よろしく」
あー、東京モンか。と何故か納得したような声が挙がる。
興味を持つ声から、すかしやがってという声まで、クラスの反応は様々だ。
勝呂は、東京からはるばるなんで京都まで?という疑問が浮かぶ。
まぁなんにしても、関わることはないだろうと思っていた。
勝呂は奥村燐に関して、初対面で気に入らない点が一つあった。
別にそれは目が青いとか竹刀袋が目立っているとかいう些細なことではない。
目が、気に入らなかった。
他者を入り込ませないような、
奥村燐の瞳の奥に一瞬だけ感じた、薄暗い影。
理由はわからないが、それが気に入らなかった。
「男の子なのは残念やけど、美人は美人なんかな」
「志摩さん・・・節操って言葉知ってます?」
志摩が言った非常に残念な言葉に、呆れてものが言えなかった。
それが、奥村燐との最初の出会いだった。
後日、噂で聞いた話。
転校生は、さっそくだがその目立つ風貌と生意気な態度で上級生から呼び出されたらしい。
しかも、上級生全員をその場で伸して、病院送りにするという荒事付きだ。
奥村燐は、謎の転校生の他に不良だ悪魔とだいう噂が立つまで、時間はかからなかった。
東京から転校してきたのは、その素行に問題があったのではないか。
噂は独りでに歩き出し、最初は物珍しさから話しかけていたクラスメイトも
徐々に奥村燐のことを遠巻きにみるようになった。
風貌は不良だが、中身は優等生の勝呂はその噂を聞いて、やはりいけ好かない奴だという印象を強める。
なにより、授業中寝るわ、サボるはを繰り返す奥村燐を真面目な勝呂は許せなかった。
奥村燐に対する勝呂の第一印象は、そんな具合に「最悪」からスタートしたのだった。
*WEB用に改行しておりますが実際は詰めてます*
「若君、ここはお逃げください!早く!」
部下に背中を押されて、燐は前に踏み出した。背後からは怒号と銃声が鳴り響いている。
路地裏に残った部下の安否が気になる。部下達は悪魔だから簡単にはやられたりはしないだろう。
でも、ここは物質界。祓魔師に祓われれば消滅してしまう。自分の世話をずっとしてくれた。
ずっとそばにいてくれた者たち。それを置いて逃げろと、部下は叫ぶ。
「我らのことは構いません。若君さえ無事ならばそれでいいのです」
彼らは口々にそう呟いた。そう、自分の気持ちなど考えてはくれない。自分が無事に生きて逃げること。
それだけを考えて、死地に向かっているのだ。
自分の無力さを噛み締めながらも、走るしかない。逃げるしかない。
今ここで捕まるわけにはいかない。
捕まれば殺される。そうなれば、部下たちの犠牲は何のためにあったのだ。
路地の先を走る。背後で部下が笑ったような気がした。そうです。それでいいのです。
剣の稽古や炎の扱いがうまくできた時に褒めてくれた言葉。
それを振り切って駆けた。物質界に来るのは初めてではないが、こんな目に合ったのは初めてだ。
ずっと虚無界で過ごしてきた身にとって、物質界は憧れの土地でもあった。
生まれはこちらだと聞いているので、やはり惹かれるものがあるのだろう。
自分一人で行かせるわけには。と部下が着いてくるのが恒例だった。
それでも、これまでは無事に過ごして来たのだ。どこから情報が漏れたのだろう。
祓魔師は、自分たちがいることを最初から知っていたかのように待ち伏せをしていた。
一人、また一人と部下が残って戦ってくれている。
自分一人を逃がすために。だから殺されるわけにはいかない。
なんとしても、生き伸びなければ。
路地の先には、開けた場所があった。ビルとビルの隙間にあるぽつんとした四角形の場所。
土地を整備し、建物を計画的に建てたとしても、どうしてもデッドスペースと呼ばれる場所ができてしまう。
ここはそういう場所だろう。
地面はコンクリートで固められており、上を見上げれば空が四角い。
所々コンクリートを突き破って生えている雑草だけが、ここにいる生き物と言えるものだ。
ここなら、誰にも迷惑はかけないはず。先程の襲撃の際に負傷した腕を伸ばした。
普通の傷ならばすぐに塞がるが、この傷口はまだ完全に塞がっていない。
きっと聖水か何かで清められたもので攻撃されたのだ。
まったく、祓魔師とは嫌な戦い方をしてくる奴らだ。
腕に少し力を入れると、案の定血が流れてきた。
それを地面に垂らす。ぽたりぽたりと落ちていく自分の血液。
それで小さな円を描く。あとは、いつもの通り召喚の呪文を唱えればいい。
向こうとこちらが繋がる虚無界の門があれば。
呪文を唱えようとしたところで、殺気を感じた。
銃弾が飛んでくる、それを間一髪で避けて地面に転がった。
危なかった。足元を狙うそれ。確実に動きを封じるための手段だ。銃弾が飛んできた方向を睨み付ける。
路地の先から、こつん、こつん。と不気味な足音が響いていた。現れたのは、男だった。
恐らく二十代だろう。黒い祓魔師のコートと、眼鏡。顔にある黒子が特徴的だった。
武器は拳銃。先程の攻撃はこいつか。
二丁拳銃を持つのは珍しい。両利き。やっかいな相手だ。
男は自分に銃口を向けながら、言葉を投げた。
「・・・悪趣味な姿だな」
自分の格好の何が気に入らないのだろうか。
物質界では人間に化けるために人間と同じ格好をしている。
ズボンに、紺色のパーカー。それとスニーカーだ。
尖っている耳と八重歯を隠せば悪魔とわかる者はいないだろう。
尻尾は部下から隠すようにきつく言われているので、出すような真似もしていない。
男の言葉を疑問に思いながらも、時間を稼ぐために会話に乗った。
「普通の格好だと思うけど?」
「僕にとっては最高に不快だってだけだ」
言ってすぐに銃弾が飛んできた。こいつ容赦ないな。
部下たちの安否が気になった。無事に合流すると皆約束してくれた。
皆は若君がそうおっしゃるのなら仕方ないですね。と笑ってくれた。だから、きっとここにも来るはずだ。
そして無事にあちらへ帰るのだ。そのためならなんだってしてやる。
「増援でも期待しているのか?生憎だが、あの悪魔達は・・・」
「あいつらがお前ら祓魔師なんかにやられてたまるか!!」
男はため息をついて、銃弾を足に打ちこんできた。
痛い。かなり痛い。きっと聖銀弾だ。足の肉が焼けるように痛む。その場に倒れ込んで足を押さえた。
ちくしょう、超いてぇ。男はその傷口をあろうことか足で踏みつけてきやがった。
最悪だった。口から声が漏れる。
「無様だね」
銃口が額に向けられる。ここで死ぬのか。くそ、それならせめてあいつらを。
部下だけでも逃げさせればよかった。胸に宿る後悔。トリガーにかけられる指。
目をつむった。悔しかった。撃たれて、死ぬ。
でも、それは現実の物とはならなかった。
「若君!!!」
四角い空から、悪魔が降ってきた。それはいつも自分の傍にいてくれた悪魔だった。
自分と男の間に割って入り、男はその場から退いた。
自分を守るように立ちふさがる悪魔の名を呼んだ。
「アスタロト・・・!」
「申し訳ありません、私がいながらこのような事に」
アスタロトは燐の打ち抜かれた足を見て、自分の無力さを嘆いた。
アスタロトは上級悪魔だ。物質界に残るには人に宿るしかない。
その人に憑りついている場合、使える力は半分以下になってしまう。出せぬ力がもどかしいのだろう。
きっと燐の為にと残った悪魔たちもそう感じていたに違いない。
燐は虚無界にいながらにして、肉体を持つ唯一の悪魔だ。
他の悪魔にはない力を物質界で発揮することができる。
「アスタロト、やっぱり俺がやらないと」
「なりません。それを阻止するために私がいるのです」
アスタロトは傷ついた身体で魍魎を呼び寄せた。それを男に向かって大量に向かわせる。
黒い奔流は、男の視界を遮って足止めくらいはさせるだろう。アスタロトは叫んだ。
「若君!お逃げください!貴方御一人ならあちらに帰れるはず!」
「いやだ!皆は、お前らはどうするんだよ!」
「我らは貴方の盾であり、矛です!役に立たぬ武器は捨てよと申し上げたはずです!」
切り捨てて切り捨てて、自分に生き延びろと叫ぶ悪魔の声。
残酷な言葉だ。でも、それは悪魔達の偽らざる本心だった。
「うるさいな」
邪魔だと言わんばかりに魍魎が祓われた。致死節を使われたか。男が構えた銃口の先から。
銃弾が雨のように二人に向かってくる。アスタロトはその銃弾の前に立ちふさがった。
倒れないように足を踏ん張って。盾になっている。男はアスタロトの息の根を止めようとしている。
目の前で撃たれている、自分を慕う悪魔の姿。
本来の姿でなら、祓魔師に負けるはずなんてないのに。
ここが物質界だから、悪魔は力を使うことができない。
俺が物質界に行きたいなんてことを言わなければこんなことには。
覚悟を決めた。抑えていた力を解放する。身体の隅々に行き渡る青い光。
男がアスタロトに止めを刺そうとしている。光が解き放たれた。
「やめろ――――ッ!!」
アスタロトを守るように発せられた青い炎は銃弾を焼き尽くしていく。
祓魔師の男は目を見張っていた。当然だ。
青い炎は魔神しか持たないと言われていた力だ。
それを持つ悪魔がいるということは、祓魔師にとっては脅威だろう。青い炎によって、アスタロトは焼かれた。
アスタロトは最後まで若君、お止め下さい。と叫んでいた。青い炎は何も滅するだけではない。
悪魔を虚無界へと帰還させる送り火ともなるのだ。
もっとも、肉体がない悪魔だからこそできる技であり、肉体を持つ自身には使えない。
残った部下たちの気配を探って、同様に送り出した。
これで、残ったのは自分だけ。
目の前にいる祓魔師の男は震えた手で銃口を下した。
びびったのか、ざまあみろ。笑ったけれど、言葉にはならなかった。
込み上げてくる嘔吐感、感覚のまま吐き出した。咳が止まらない。口の中に広がる血の味。吐血だ。
まったく、青い炎はやっかいた。使えば自分の体を焼いていく。
自分の力のはずなのに、いつからこんなにも使いにくいものになってしまったのか。
地面に血を吐いて倒れ込んだ。
部下は自分さえ生きていればと言っていたが、やっぱり自分にはそんな生き方向いていない。
誰かを犠牲に生き残るなんて後味が悪すぎる。
自分は祓魔師の男に殺されるだろう。
かつて起こった青い夜のせいで悪魔や魔神を憎む者は五万といる。
ここで殺されるなら、それはきっと自分の運命だ。
雨のような弾丸に貫かれて死ぬ。そう覚悟を決めていたのに。
一向にその気配はなかった。倒れたまま視線を上げると、祓魔師の男がじっとこちらを見ていた。
なんだよ、このまま失血死するの見てるってか。
「趣味悪ぃ、奴・・・」
そのまま意識は闇に堕ちた。
死ぬ最後の光景が暗闇っていうのは、寂しいものだ。
ここから先は、自分が知らない間のこと。
祓魔師の男は傍に座り込むと、息を飲んで頬に触れた。
「兄さん、なの?」
男がつぶやいた言葉を、知ることはなかった。
***
最初に覚えているのは痛みだった。
体を動かそうにも腕を上げることもできず、瞼も開いているのか閉じているのかもわからなかった。
ただ薄ぼんやりとした視界に広がっていたのは、紫色の空と暗闇。そして、青く光る炎の色。
誰かが話しかけている。その方向に向かって視線を合わせた。悪魔がいた。
自分に話しかけているようだ。それも必死に。生きておられますか。心配そうな声だ。
それに答えように声を出そうとしたが、声はでない。のどを潰されているのだろう。
それでも身じろぎしたことで、相手に意図は伝わったようだ。生きておられる。
その呼びかけに合わせて、同時に聞こえてきたのは歓喜の声。
「次代様がお生まれになったぞ!」
悪魔が呼んでいる。俺を呼んでいる。魔神様が倒された。
打ち勝たれたのは若君だ。若君。おめでとうございます。
次代の王の誕生です。おめでとう、なんのことを言っているのだろう。
わからない。なにもわからなかった。なぜ自分がここにいるのかも。この全身の痛みもなにもかも。
悪魔の中から、誰かがこちらに近づいてきた。
それは人型をしていたが、悪魔だろう。頭に角があったし、何より全身に魍魎を宿していたから。
その悪魔はそっと手を差し伸べた。
「若君、参りましょう。我らの主よ」
悪魔の両腕に抱かれた体は血塗れで、まるで生まれたばかりの赤子のようにも思えた。
目を覚ますと、目の前には真っ白な壁があった。それだけでここは虚無界ではないことがよくわかる。
寝起きであまり動かない頭を働かせたが、思考がうまくまとまらなかった。なぜあんな夢を見たのだろう。
自分はずっと虚無界にいたはずなのに、そのことに違和感を覚えるような夢だった。
深呼吸をして、心を落ち着ける。ここは物質界だ。虚無界とは違う。ここは悪魔の世界ではなく人間が支配する世界。
いわば敵地のど真ん中なのだ。
それでも不思議と呼吸をすればわかる。ここの、物質界の空気は自分にとてもよく馴染んでいることが。
「起きたの?」
唐突に話しかけられて、驚く。ぼんやりと考え事をしていたから、目の前に人がいることに気がつかなかった。
顔を上げれば、そこには祓魔師の男がいた。
眼鏡をかけており、頬に黒子があるのが特徴的だった。この男のせいで。
そんな感情が浮かぶが、敵地で暴れても損するのはこちらだろう。極めて冷静に相手を睨み返した。
男は視線を合わせながら、言葉を告げる。
「僕の名前は、奥村雪男だ」
まさか悪魔相手に名乗る奴がいるとは思ってもみなかった。おくむらゆきお。それがこいつの名前なのか。
人間の名前についてはその程度の意識しかなかった。男は続けて質問をぶつけてきた。
「名前はないのかい」
祓魔師の男、こと奥村雪男は魔神の落胤である少年にそう問いかけた。
悪魔にとって名前は身を縛る言霊になりかねない。だから隠している者が多い。
もっとも、真名を知られたとしても上級悪魔を従えることができる祓魔師は少ないが。
「あったとしても、お前なんかに教えるもんか」
部下である悪魔や、アスタロトをひどい目に合わせた敵に送る名などない。
そうつっぱねると雪男はひどく悲しそうな顔をした。
絶賛追いつめられ中で、ご迷惑をおかけしております。
追いつめられても、更新はしたい。鼻血噴きながら推敲して、試験には落ちましたオォゥorz
もっと早くにできたらいいんですが、すみません。
夏コミの新刊については、「さよならブルートレイン」が本になっております。
また正式にご報告させて頂きますね。
拍手での励まし、またアンケートへのご回答ありがとうございます。
同人を購入できない方からもお言葉をいただいてありがたい限りです。
7月1日 ユカ 様
コメントありがとうございます!お返事遅くてすみません。
夏コミに来られるようで、お会いできる日を楽しみにしております(^^)嬉しいです。
こちらこそいつもありがたいお言葉を頂けて元気をもらっています。なによりの励ましとなります。
逆様鏡の続きもUPしましたので、よろしければまたご覧ください~。
励ましと挫けぬ心でがんばります!
7月6日 1時頃
はじめまして。いつも楽しく拝見しています。konbuさんが書かれる兄弟とアスタロトが~の方。
アスタロト好きさんがいらっしゃいました!
ありがとうございます。結構好きに書いているので受け入れられて嬉しいです。
同人はいろいろな事情がありますよね。アンケートへのお言葉もありがとうございます。
更新を待っていただけることがとてもありがたいことです。
引き続きバタバタしてて申し訳ないですが、またのお越しをお待ちしております!
本当に、支えられててありがたいことです。
頑張りますorz
兄さんは冷たい瞳で僕を見つめる。
当然だ、自分を追放する判断を下した輩を兄は一生許さないだろう。
そういう覚悟でここへは来た。
でも、当時の僕はそんな判断しかできなかった。
兄さんの状況は、まさに生きるか死ぬかの瀬戸際だったからだ。
「奥村燐の処刑を命ずる」
カンッと法廷に響いた裁決の言葉。三賢者は燐の存在を邪魔者とみなした。
燐は悪魔からも人間からもその存在を狙われていた。
悪魔からすれば、次期魔神ともいえる落胤を人間側に置いておくことが屈辱なのだろう。
悪魔からの襲撃は増していた。悪魔は口々に燐の帰還を望んで、消滅していった。
燐は何度も何度も悪魔をその手で殺した。
騎士團にとって悪魔への確かな対抗手段になっていたはずなのだ。
しかし一部の人間が、誠しやかに囁きだした。
魔神の落胤がこちらにいるから、悪魔は騎士團に牙を向くのではないか。
最初は馬鹿馬鹿しいとされていた言葉だ。
燐の騎士團への貢献度は知られていたし、大規模な悪魔の駆除を行うにも青い炎は不可欠だった。
だが、人間側の恐怖というのは伝染していく。
燐が行った行為に対して、人は少しずつ少しずつ毒を持って接した。
共に任務を行った者は、燐をまるで道具のように扱った。
傷を負っていたとしても、燐よりも軽傷な人間の治癒を優先した。
治療をしてくれればまだいい方で、そのまままるで燐が最初から任務にいなかったかのように扱う者も出た。
悪魔は人間が燐に対してそんな扱いをしていることが許せなかった。
悪魔は積極的に人間を襲った。燐への攻撃を最小限に留めて。
ほら、やっぱりあいつは悪魔なんだ。
人は燐を責めた。勿論そんな人間ばかりだったわけではない。
だが毒は確実に騎士團内部に広がり、取り返しのつかないところまで来ていた。
人は弱い。だから自分より強いものに対しての恐怖心を抑えない。
それは迫害という手段で確実に燐を追いつめていた。
対して、雪男への対応は緩くなっていった。
雪男は魔神の落胤と言えども人間だったから、矛先は全て燐へと向かっていった。
雪男は人間の中で追いつめられていく燐の背中を見ていた。
処刑宣言だけは免れたいと、雪男は八方に手を尽くした。
燐を殺されたくはなかった。無くしたくなかったからだ。
でも、全て無駄に終わった。
三賢者が下した決断が覆ることはない。
ならば。雪男はこの裁決に異を唱えた。
「お待ち下さい。処刑の判断は早計だと考えます」
燐の地位が陥れられると同時に、雪男の地位は上がっていった。
落ちこぼれの兄、優秀な弟。雪男の従順な姿勢は、騎士團にとって良いものに映った。
人間は言った。あんなのがお兄さんで、君の生まれはとても不幸だったね。
人は可哀想な者に同情的だった。
雪男はそれに対して腹立たしく思ってもいたし、内心そんな人間を全て皆殺しにしてやりたいと思っていた。
燐よりも雪男の方がよほど人にとって悪意を持っていたが、人はそんなことには気づかない。
人が最初に見るのはその人の外見。つまり表面しか見ていない。
それに雪男は取り繕うことがうまかった。
自分が人であったので、人がどんなに汚いことをするかもよく理解していた。
そうやってのし上がっていくことで、燐を守れると思っていた。
処刑の判断が下ってしまった今、どうやって燐の命を守るのか。雪男の考えはその方向にシフトしていく。
「三賢者の命令は絶対だぞ」
「ええ、十分承知しております。ですが、処刑すればそこで終わりです」
「何が言いたい」
「彼にはまだ利用価値があると言っているのです。
殺せば終わりですが、生きてさえいればまた利用することができるでしょう。
悪魔に対抗するためには、青い炎が必要だと考えます」
「ならばどうする。騎士團の地下深くにでも幽閉するのか」
幽閉。そうなってしまうとまずい。雪男は口を噤んで周囲の言葉を待った。
すると、裁判員の一人が叫んだ。あいつがいるから悪魔が来るんだ。
ここに幽閉されればこっちが悪魔に狙われる。
男の声に、周囲が賛同した。
そうだ、あいつさえいなくなればいいんだ。
殺せ、殺してしまえ。でも、どうする。落胤を殺されたことで悪魔がこちらへ復讐しに来ないのか。
ならば幽閉か。それは駄目だ。殺せ。どちらにせよ、ここに置いておくわけにはいかない。
周囲に伝染した言葉は、雪男に味方した。
雪男は発言する。
「奥村燐の、騎士團からの永久追放を提言します」
雪男の言葉は、裁決の場に染み渡った。
生かさず殺さすの判断。
それはこちらに被害が及ばず、また危険を遠ざける最も良い判断のように思えた。
雪男が三賢者の判断を待っていると、雪男の声に賛同するものがいた。
「僕もその方がいいと思うなァ、彼を殺せば失うものも多いと思います。
悪魔の復讐なんて皆ごめんでしょう?」
それはライトニングの言葉だった。彼は騎士團の参謀のような男だ。
現に大規模な作戦があれば必ずといって良いほど彼は関わっていた。
その騎士團の人望厚い者からの言葉だ。賛同者は多かった。
三賢者はそのまま再審議に入り、やがて一つの結論が出た。
「奥村燐を、騎士團からの永久追放処分とする」
雪男はひとまず胸を撫で下ろした。
兄が殺されるという最悪の結果は回避できたからだ。
後は、自分が彼を匿う準備をしなければならない。急がなければ。
雪男が審議の場を後にしようとすると、声をかけてきた男がいた。
振り返れば、その人物は雪男の提案に賛同した騎士團の参謀ライトニングだった。
「望む裁決を得られてよかったね」
「・・・貴方の後押しがあったからだとは自覚しております」
雪男はこんな場所でもたついている場合ではない、と思っていた。
早く帰って、兄に全てを説明しなければならない。
燐の知らない所で決定された事実は、きっと酷く兄を傷つけるだろうことはわかっていたからだ。
「それは全然構わないんだけどね。
実のお兄さんにこんなことできるなんて、君本当はお兄さんのこと嫌いなの?」
お兄さんのことが大嫌いなんだろう。
それはかつての雪男を苛んだ、藤堂の言葉の反復のようだった。
雪男はそれをすぐさま否定する。
「そんなわけないでしょう」
「生きてさえいればよかったの?うーん。それもまた難儀な答えだなぁ」
ライトニングは頭を掻いた。雪男の言葉に納得がいっていないようだ。
雪男は苛ついていた。早く帰りたかった。兄に会いたかった。
失礼します。と口にして素早くその場を離れた。
これ以上付き合ってられない。
そんな雪男の意識を感じ取ってライトニングもそれ以上は何も言わなかった。
ライトニングは雪男がいなくなった後、一人ぽつりとつぶやいた。
「だって、彼は。奥村燐の目標は聖騎士になって、
藤本獅郎のやってきたことが正しかったことを証明したかったはずだ。
騎士團からの永久追放ともなれば、藤本獅郎の名誉を回復させる手段を永遠に絶ったということだろう」
認めてもらう事ができなかった彼は、どんな思いであの判決を受け入れるのか。
しかもその判断は残酷なことに実の弟が下したのだ。
彼の目標を引き裂いても。それでも、生きていてもらいたかったのか。
「あの兄弟、なんだか根っこの所で完全にすれ違っている気がするよ」
ライトニングはため息をついて歩き出した。
***
雪男が日本支部に戻ってくると、扉の前にはメフィストがいた。
雪男はメフィストに声をかける。日本支部にはメフィストの結界が張ってある。
燐の場所を補足するにはメフィストの力が不可欠だ。
寮にいなかった場合を考えると、一刻も早く燐を見つけなければならない。
「フェレス卿、兄がどこにいるかわかりますか」
燐は現時点ではまだ監視の対象であるはず。
そうなれば居場所を知らないはずがない。だがメフィストは雪男の予想を覆した。
「さぁ、わかりません。彼はもうすでに私の結界の補足範囲から出ていますからね」
その言葉は雪男の心に突き刺さった。
まさか、自分は間に合わなかったのか。雪男はメフィストに詰め寄る。
「どういう、ことですか・・・」
「そのままの意味ですよ。奥村燐の永久追放が決定しました。
そうなれば彼がこの学園にいられるはずもない。彼は上級悪魔です。
この学園の結界は、上級悪魔の侵入を許しません。
私が丁重に結界の外まで案内して、先程最後の別れを済ましてきました」
雪男はすぐに部屋から飛び出そうとした。
先程、というならばまだ近くにいるかもしれない。
こんなにも早く決定が下されたのなら、燐は何も知ることができなかっただろう。
雪男は元生徒である燐の同期に連絡を取ろうとした。しかしメフィストがそれを無駄だと遮る。
「騎士團からの永久追放を受けた身です。もう誰にも彼と接触することはできません。
現に奥村君は同期に既に監視用の悪魔がついていることも悟っていましたよ」
誰にも連絡を取ることもなく、去って行った兄。
その胸中はどれほどのものだっただろうか。
雪男は燐に説明をしなければならなかった。
こうしている間にも、燐は一歩一歩雪男から遠ざかって行く。
待って、待ってよ兄さん。違うんだ。
「ああ、そういえば奥村君から言伝を預かっています」
メフィストは淡々とした声で告げる。
「お前を一生許さない、だそうです」
雪男が帰った部屋に、燐の姿はどこにもなかった。
代わりのように置いて行かれた荷物と、携帯電話。
そして、騎士団から通告された書類がぽつんとあるだけだった。
おかえりも、ただいまも、もう聞くことはできないのだ。
雪男はぽっかりと空いた部屋を見渡した。
まるで自分の心のような光景だった。
こんばんわ、体を壊して本当にえらい目にあいました。
何が悲しくて休みの日に病院通いをせねばならんのかッ・・・orz
皆さまもお気をつけて!夏はいけませんね汗
拍手ぱちぱちありがとうございます!
以下返信です。
6月17日
初めまして、konbu様。毎週の更新、いつも楽しみにしています~の方
はじめまして、感想頂けてとても嬉しいです!
雪男君はいつも振り回されていますが、やっぱり根底には兄さんのことを慕っていて欲しいと
思って書いてました(^^)好きと言っていただけるのが本当に糧になります。ありがたや。
夏の大阪については仕事の事情で悩んでいる面もありますが、もし不参加の場合でも書店通販は考えております。
また正式に決まりましたらお知らせさせて頂きます汗 すみません
拍手ありがとうございました!