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CAPCOON7

青祓のネタ庫

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奥村君ちの家庭の事情4

奥村雪男は絶句していた。丁度寮に向かう途中で受け持つクラスの生徒達が来た。なにか進路や授業に関する相談事でもあるのだろうかと思って、旧男子寮の空いている部屋で話を聞いた。
自分達が住んでいる部屋はもっと上の階にある。兄ももう帰っているだろう。

今日は任務があったし悪魔薬学の授業も無かったため、朝から兄に会っていない。
その兄のこととは夢にも思っていなかった。

「ありえません」
「じゃあ奥村と理事長ってどんな関係なんですか?」
「うーん、それは・・・」

説明するべきか雪男は悩んだ。燐の力のことなど言えないし、メフィストが怪しい動きをしているのも
言えない。当たり障りなく、勝呂達の勘違いを正さなければ。

「そもそも、理事長は僕ら兄弟の後見人なんですよ」
「後見人?」
「ああ!!!だからあいつ養ってもらってるとかなんとかいうてたんか」

話を聞くと自身の兄の口からでた言葉は勘違いされても仕方のないことばかりだった。
事情を深く話すわけにもいかないので、兄にとっては苦肉の策だっただろうが、これはひどい。

「養父が死にまして、それでその養父の友人であったフェレス卿に後見人になってもらったんです」
「じゃあ封筒貰ってたっていうのは?」
「お小遣いですね、この間は二千円札もらってましたけど」
「少なっ!!!」

なんとか誤解は解けたみたいだ。
しかし、今後このようなことがないようにきつく兄には言い聞かせておかねば。
きらりと光る雪男の眼鏡に不穏な気配を感じたのか、三人は早々に退室すべきだと悟った。
「やっぱり坊の勘違いやないですかー」
「いやあでも、確認はすべきですね。これで一安心ですよ」
「・・・」
勝呂の疑問はあと一つ残っていた。渡り廊下で会っていた理由もわかったし、封筒の中身についても解決した。じゃああの説明するのも憚られる、口と口がくっついてというか。
俗に言うキスに見えたあれは一体何なのか。
もうこれ以上追求するのはやめておくべきか。
扉に手をかけたところで、ガラスの割れる音がした。それと悲鳴。聞き覚えがある。
上の階からだ。


「奥村!!?」
「兄さん!?」


雪男が部屋を飛び出して走り出した。思わず勝呂も駆け出す。
奥村燐に対しての疑問、理事長との関係、勝呂が見たあの光景。
全くもって面倒な奴だ。だがこうなったら最後まで付き合ってやる。






率直に言うと、勝呂は奥村兄弟の部屋で見てはいけないものを見てしまった。
雪男が部屋に乗り込んで、扉の前に勝呂は着いた。
見てしまった。
部屋の真ん中で理事長、メフィストが奥村燐の上に乗っかっている所を。


扉が物凄い勢いで閉まった。
何発か中から銃声が聞こえてきた。


「・・・先生やろか」

竜騎士の資格を持ってるのはこの場では雪男しかいないからそうなるのだろう。
理事長に発砲する理由もわからないではないが、部屋に入ってすぐ発砲。
その躊躇のなさに勝呂は戦慄した。
廊下から、遅れてやってきた志摩と子猫丸がやってくる。
「坊!どうなったんですか!?」
「奥村君だいじょうぶ・・・」
いきなり扉が開いて雪男の顔だけが覗く。
三人は身構えた。



「すみません、家庭の事情のため帰ってください。詳しいことは後日」



雪男の顔は笑っていたが、冷めていた。
扉の隙間も、雪男の身体で遮って見えないようになっている。
それだけいうと、また扉が閉まった。

勝呂はうな垂れた。
後見人が養っている子供の兄の上に乗っかっている光景。
弟は銃をもってその部屋に乱入の末、発砲。
「坊、なんかあったんですか?」
「僕ら遅れてきたから全然わからんのですけど」
二人は勝呂に質問した。


「わからん、よそ様の家庭の事情は複雑怪奇や・・・」

勝呂はそうとしか応えられなかった。

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