忍者ブログ

CAPCOON7

青祓のネタ庫

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

奥村くんちの家庭の事情

夜中にふと喉が渇いて目が覚めた。
燐は布団から起き上がって、机の上を確認する。
時計が示す時間は午前2時。
隣の寝台を見れば、珍しく雪男は深い眠りについていた。
起きる気配は無い。
このまま外に設置されている自動販売機に行くのもいいだろう。
普通外に出ようとすると雪男が起きてきて「どこに何しに行くのか」を問いただされる。
お前は俺のお母さんかと突っ込みたくなるが、心配されているのだろう。
それに、今日はあまり外に出る気もしなかった。


冷蔵庫になにかなかったかな、と思っていると。
雪男の机の上に、水差しがあるのが見えた。
窓から差し込む月明りに照らされて、青白く光る水。
丁度いい、と思って、水差しからそのまま水を飲んだ。

「・・・なんか妙にシュワっとする水だな・・・」

口の中には炭酸を飲んだような感覚が残った。
水を振ってみたが、別に炭酸水というわけではないようだ。
変なの、と思って水差しを机に戻す。
寝台に戻ろうとすると、視界が揺れた。
立ちくらみの様なものだ。

「・・・眠いからか?」

特に気にすることも無く、布団の中にもぐりこむ。
少しだけだが、胃の辺りが熱い気がする。
雪男の方を見てみた。
ぐっすりと眠っているようだ。
雪男には体調の変化があればすぐに言うように言われている。
悪魔になってから、なにがどう作用するかわからないからだ。
でも、寝ている雪男を起こすのはなんだか憚られた。

「ま、ただの水だろ・・・」

そのまま目を閉じれば、すぐ睡魔に飲み込まれた。
朝起きて、何かあれば言えばいいだろう。



朝起きた時、雪男はもうすでにいなかった。
急な任務でも入ったのだろうか。
机の上を確認すれば、昨日水差しがあったところにメモが置いてあった。


『兄さんへ、ちょっと軽い任務があるから出かけてきます。
寝ぼけず、遅刻しないように学校にいってね 雪男』


せわしない奴だ、と思いつつ着替えのためにクローゼットの方へ行こうとした。足がもつれてこけた。
「・・・寝ぼけてるのか」
ちょっと恥ずかしかった。雪男に言い当てられてるみたいでなんだか癪に障る。特に気にすることもなく、起き上がって着替えをはじめた。
ボタンを留めるのがいつもより手間取った。まるで手がいうことをきかないみたいだ。

「あー!めんどくせぇな!!」

シャツのボタンを2,3個留めたところで、適当に上着を羽織って燐は部屋を出た。
足がもつれてこけた。

まるでどこぞのドジっ子ヒロインのような朝に、自己嫌悪でいっぱいになった。
結局、授業の開始時間に遅れるし、散々な始まりだ。


だからこそ、昨日飲んだ水のことなど燐はすっかり忘れていた。

PR

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]