青祓のネタ庫
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三人で星を見た後、冷えた身体を暖めるために兄弟は同じ布団に入った。
燐は、雪男を傷つけるかもしれないと最初は嫌がった。
しかし、雪男に強請られれば燐は弱い。
結果として雪男が勝利した形になった。
最初は冷たかった布団も、二人の体温で徐々に温かくなってくる。
目を閉じても星空の美しさが瞼に焼き付いてなかなか寝られない。
「ゆきお、起きてるか」
「うん。起きてるよ」
二人で布団の中で顔を見合わせる。
「兄さん、父さんが教えてくれたことちゃんと覚えてる?」
「えーっと、カシなんとか座と・・・北斗の間?」
「おしい、カシオペヤ座と北斗七星の間」
「北極星だな!」
「うん、これを知ってればここに帰ってこれるんだって」
「迷子になっても大丈夫だな。北極星に背を向ければいいんだよな」
「でも、兄さんちゃんと北極星見つけられる?」
北極星を見つけられなければ、帰り道がわからない。
雪男は少し心配になって兄に問いかけた。
「・・・わからなかったら、お前が俺に教えてくれよ」
迷子になるときも二人一緒なんだろうか。
でも、一人でいるよりずっといい。
離れ離れになるのは絶対に嫌だった。
「そうだね、僕がちゃんと教えるよ。父さんとも約束したし」
「じゃあ、俺とも約束しろ」
「うん、約束するよ。兄さん」
「ありがとな、雪男」
指きりをしたまま、二人で顔を合わせて目を閉じた。
瞼の裏に焼きついている満天の星空。
迷子になっても、きっとここに帰ってこよう。
温かいこの場所に。
神父はそっと子供部屋のドアを開ける。
二人で顔を並べて寝る姿を見て、思わず顔がにやけてしまう。
音を立てないように部屋の中に入った。
「誕生日おめでとう、って言う前に寝ちまったか」
12月27日24時。屋根の上に上がった時に言おうとも思ったが、いつの間にか二人は星の話に夢中になっていた。
いつか大人になったときに北極星の話を思い出してくれればいい。
「そして、またここに帰ってきてくれ」
神父は懐から包装紙に包まれた箱を取り出した。
それをこっそりと、二人の枕元に置いておく。
朝起きてきた時の顔が楽しみだ。
もう一度、二人の寝顔を振り返る。
父としての願いを込めて、二人に贈った。
「二人とも、幸せになれよ」
そして、静かに扉を閉めた。
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