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CAPCOON7

青祓のネタ庫

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星を見たあと

三人で星を見た後、冷えた身体を暖めるために兄弟は同じ布団に入った。
燐は、雪男を傷つけるかもしれないと最初は嫌がった。
しかし、雪男に強請られれば燐は弱い。
結果として雪男が勝利した形になった。


最初は冷たかった布団も、二人の体温で徐々に温かくなってくる。
目を閉じても星空の美しさが瞼に焼き付いてなかなか寝られない。

「ゆきお、起きてるか」
「うん。起きてるよ」
二人で布団の中で顔を見合わせる。
「兄さん、父さんが教えてくれたことちゃんと覚えてる?」
「えーっと、カシなんとか座と・・・北斗の間?」
「おしい、カシオペヤ座と北斗七星の間」
「北極星だな!」
「うん、これを知ってればここに帰ってこれるんだって」
「迷子になっても大丈夫だな。北極星に背を向ければいいんだよな」
「でも、兄さんちゃんと北極星見つけられる?」

北極星を見つけられなければ、帰り道がわからない。
雪男は少し心配になって兄に問いかけた。


「・・・わからなかったら、お前が俺に教えてくれよ」


迷子になるときも二人一緒なんだろうか。
でも、一人でいるよりずっといい。
離れ離れになるのは絶対に嫌だった。

「そうだね、僕がちゃんと教えるよ。父さんとも約束したし」
「じゃあ、俺とも約束しろ」
「うん、約束するよ。兄さん」
「ありがとな、雪男」

指きりをしたまま、二人で顔を合わせて目を閉じた。

瞼の裏に焼きついている満天の星空。
迷子になっても、きっとここに帰ってこよう。
温かいこの場所に。





神父はそっと子供部屋のドアを開ける。
二人で顔を並べて寝る姿を見て、思わず顔がにやけてしまう。
音を立てないように部屋の中に入った。
「誕生日おめでとう、って言う前に寝ちまったか」
12月27日24時。屋根の上に上がった時に言おうとも思ったが、いつの間にか二人は星の話に夢中になっていた。
いつか大人になったときに北極星の話を思い出してくれればいい。


「そして、またここに帰ってきてくれ」


神父は懐から包装紙に包まれた箱を取り出した。
それをこっそりと、二人の枕元に置いておく。
朝起きてきた時の顔が楽しみだ。
もう一度、二人の寝顔を振り返る。
父としての願いを込めて、二人に贈った。

「二人とも、幸せになれよ」


そして、静かに扉を閉めた。

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