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CAPCOON7

青祓のネタ庫

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悪魔で魔法使い

夜、雪男に黙って寮の部屋を抜け出す。
最近悩み事があるとやる、癖みたいなものだった。
夜の街、ネオンが遠く見える。風も冷たく心地よい。
空を見上げれば星が見えたが、街の灯りが邪魔して二つくらいしか見えなかった。
それでも星は、遠く瞬いている。綺麗だった。風がまた吹いた。
前髪が風に巻き上げられて邪魔だ。髪をかき上げると、ふわふわしたものが腕にあたった。
肩にはクロが乗っており、夜風を楽しんでいる。

(りん、おいていくなんてひどいぞ)
「悪い、寝てたから起こしちゃ悪いと思ったんだ」
(きょうはあそぶのか)
「いや、今日はいいや」

クロを抱いて、膝の上に乗せた。下を見れば地面が随分遠くに見える。
星空と地面の中間地点にいるみたいだ。
落ちたら死ぬな、と他人事のように思った。下から風が巻き上げられてくる。
少しだけ肌寒かったから、クロをぎゅっと抱きしめた。

「お前なら平気なのになぁ」
(なにが?)
「なんでもねーよ」

人に触ることが怖くなった原因もわかってる。
志摩と雪男と接触してわかった。
力加減ができるようになったとはいえ、やっぱりまだ怖いという感情が抜けてない。
このままじゃダメなこともわかってるが、どうすればいいんだろう。

「練習っつっても・・・なんか複雑だ」



ハグの練習とかなんだ。外国の挨拶をするわけでもあるまいし。
そもそも相手は誰だ。勝呂か。ダメだ。あいつ怖いし。
子猫丸。身長足りないし、丈夫そうじゃないからダメ。
しえみは・・・無理。すごくしてみたいけど俺男だし。


じゃあ志摩?アイツにはバレてしまっているからやりやすそうだけど、からかわれそう。
じゃあ雪男?全部知ってるから、協力はしてくれそうだ。でも、あんまりあいつに頼りたくない。
今でも頼ってるから、これ以上頼るのも兄としてどうだろう。



燐はうーんと頭を悩ませる。
考えたって、俺の頭じゃ答えがでない。
クロの頭に顔を埋めた。耳の後ろの産毛に頬ずりする。
産毛だからか、背中の毛並みと違った柔らかさが気持ちいい。
しかし、耳の後ろというデリケートな部分なだけにクロが嫌がる所でもあ
った。

(やー、りん)
「悪い悪い」

顔を離して謝った。クロはぴょんと燐の膝から飛び降りて化けた。
クロは大きく変化するとそこらの動物園にいるライオンよりも大きい。
近くで見ると迫力ある。
クロは燐の顔に鼻を押し付けて強請った。

(なやんだときはあそんだらいいんだぞ)
「・・・はは、それもそうか」

遊んで欲しいという要求を燐は受け入れる。
先ほど嫌がることもしてしまったし。
ぐいぐい押し付けてくる、クロの鼻が唇にあたって冷たかった。
その感触を感じてふと思う。



志摩とキスしたんだな、そういえば。
あの時はなにがなんだかわからなかったけど。
キスは平気だ。口だけしか触れ合わないから、力加減なんて必要ないから。



燐は持ってきた木刀を構える。クロは遊んでもらえる喜びが全身から湧き出ていた。
クロはわかりやすい。遊びたいから遊ぶ。食べたいから食べる。悲しいから泣く。
寝たいから寝る。
人間は考え事が多くて面倒だ。
厳密に言えば人間ではないけど。


そこで気づく。



あれ、俺このままだと付き合った相手とセックスもできないんじゃなかろうか。

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