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CAPCOON7

青祓のネタ庫

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クロと着色料

燐は抹茶アイスを食べながら、クロのトイレ場の用意をしていた。

一緒に住むことになったので餌場や水のみ場、生き物なのでトイレも必要だろうと兄弟で考えたからだ。
門番の人から譲り受けたクロのお世話セット。その中にはきちんと猫用トイレもあった。
しかし、トイレ用の砂はなかったので祓魔屋で雪男が買ってきた。祓魔屋って本当になんでも揃っている、と兄弟揃って感心したものだ。しえみの母親は商売が上手い。

「室内飼いだから、頻繁にトイレは綺麗にしてあげないとね」
「そうだな」

砂を入れ終わり、アーチ状の蓋を閉める。
猫トイレの完成だ。外側は普通の猫トイレを使用しているが使っている砂が違う。蚕神ということで、桑の葉を混ぜた匂い玉と神主がお清めを施した砂を使ってある。
値段も大変よろしい仕様である。ここらへんもしえみの母親は商売が上手い。いつも思うのだが、クロのほうがいい生活をしているような気がしてならない。
それでも新しく出来た可愛い家族だ。できるだけのことはしてあげたい。
意外と面倒見の良い兄弟二人は、それをクロに対して遺憾なく発揮している。準備ができたので、クロを呼ぶ。
クロが嬉しそうに寄ってきた。
新しくできたトイレに早速入っていく。

「においつけしてるのかな」
「そうじゃね」

じっくりと見るのもアレなので、お互いに視線を逸らした。
チラ見した時、クロは気持ちよさそうな顔をしていたので気に入ってくれたらしい。
「どうだ、使えそうか?」
(うん、りんもゆきおもありがとう)
「なんていってるの?」
「ありがとうって言ってるよ。よかったな」
燐は口に銜えていたアイスを雪男に渡した。
雪男はそれを受け取って一口齧る。

「あ、喰うなよ」
「いいじゃない一口くらい」
「クロのトイレ掃除するから渡しただけだ」

蓋を外して、備え付けの小さなスコップで砂を掘る。
兄さんって本当面倒見いいなぁ、と雪男はトイレを綺麗に掃除する兄の姿を見て思った。
そこで、燐の動きが止まった。

「なぁ雪男」
「なに」
「クロの、アレの色が」
「色?」
「まぁ、トイレでするアレの色が緑色なんですけど。これ病気?」
「え、ちょっと見せて」

兄弟でクロの致した後のトイレを覗き見る。
確かにそこに鎮座するのは緑色のブツだった。
まるで雪男の手にあるアイスがそこに落ちたかのような姿。
「飯で緑色のものはやってないよな?」
「フードだけだけど・・・って、ああ・・・」
雪男は何かに気づいたらしく。眼鏡を押し上げた。
アイスを居心地悪そうに持っている。
「なんかわかったのか」
「つまり、このアイスだよ」
「抹茶アイスがどうかしたのか?」

「クロって蚕神でしょう。蚕の主食は桑の木の葉っぱだよ。つまり葉っぱの色素が出てるの。
フードにもそういう桑の葉が混ざってたようだし、病気じゃないね」
「それがアイスとどうつながるんだよ」

「言いにくいんだけど、
抹茶アイスに使われている緑色の色素の原料は蚕の糞だよ」

二人はなにがあったのかよく理解していないクロのほうを見て、トイレのほうを見た。
ものすごく微妙な気分だった。
「俺ら、間接的にクロの・・・」
「いわないで兄さん」
雪男はそういって、持っていたアイスを燐の口に突っ込んだ。

食欲が失せた、夏の日の出来事。

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